すきま英語

Hiro’s Advice 7 【トム・ホーバス氏から学ぶ外国語習得の秘訣】(前編)

Introduction

男子バスケットボールのワールドカップ(正式名称:FIBAバスケットボール ワールドカップ 2023 男子)が8月25日~9月10日に、フィリピン、インドネシア、日本の共催で行われました。この大会で、日本男子チーム “AKATSUKI JAPAN” は、アジア勢1位となり、次回のパリ五輪出場権を得ました。実に48年ぶりの自力での出場権の獲得です。

監督は、トム・ホーバス氏。終始、日本語で選手に指示を与えたり、鼓舞していました。

今回と次回に亘って、トム・ホーバスHC (HC: Head Coach) に焦点を当てて、アメリカ人である氏が、如何にして日本語を習得し、日本チームを率いてパリ五輪出場権を得るまでの日本語力を身に付けたか、について私なりの考えを述べてみたいと思います。この過程を通して、私たちの英語学習に流用できる発想、方法など、学ぶことが多くある事が伺えます。

1. トム・ホーバスHCとは…

日本男子の監督就任前は、東京五輪で女子代表チームを準優勝に導いたことで有名です。当時も試合中に、大きな声で選手にゲキを飛ばすことで有名なHCでした。例えば、

「何してるんですか!」
「ボールを、強く持って!」
「何回も同じことしなくていいじゃないですか!」
「なんで頭使ってないの!」
「最後まで!」

全日本女子のHC語、男子代表のHCに就任、今回のワールドトークカップでも、日本語が炸裂していました。

ホーバスHCの奥様は、日本人とのことですので、これらの言葉の中には、奥様に言われたものもあるかもしれません。(特に「何してるんですか!」とかね…邪推ですかネ)

ホーバスHCの日本語はとても流暢で、丁寧な日本語でした。ただ、迫力はありました。常時ではありませんが、頻繁に怒鳴っていましたが、その表現が「何してるんですか」に代表されるように、比較的丁寧な表現なので、日本語を上手く利用しているなぁ、と感心したものでした。

2. 模範となる英語を見極める

丁寧で正しい日本語によって、選手は、指示を明瞭に聞き取れて、完璧に理解できたことと思います。これは、『意思疎通』 ができた事を意味しています。ここから学べる事は何でしょうか。それは、私たちも、身の回りに丁寧で正しい英語を話す人がいて、常にその英語に接していれば、ホーバスHCの日本語習得のように、丁寧な、正しい英語を習得し易いだろう、ということです。

逆に、粗雑で、不正確な英語を話す人に囲まれていると、『意思疎通できる英語』 の道は長いものになるかもしれません。文法的に100%正しい必要はありません。『意思疎通ができる英語』 の習得と言う意味では、とても重要なことだと思います。

第二言語の習得では、正しく、失礼でない言葉を、丁寧で正しい発音とイントネーションで話すことが、非常に重要です。理由は、単純です。聞き手に自分の真意が伝わり易くなるからです。ビジネスの現場では、特に重要な点です。自分は攻撃的で挑発的ではない事を知ってもらえ、結果、相手に理解され易くなるのです。

私たちが英語で話す場面でも、これは正しいと思います。スラングばかりの英語、汚い、人を軽蔑するようなフレーズを普段から聞いていると、それが当たり前の英語であると勘違いして、そのまま身につけてしまいます。一度、悪い癖に染まってしまうと、なかなか矯正できません。ですから、ネイティブ講師の選択は慎重に行いましょう。

● ネイティブ講師のチェックポイント

具体的には以下をチェックすると良いと思います。

ⓧ ”you know” を多用する
ⓧ 訛り、アクセントの癖が強すぎる
ⓧ 極端なスラングを多用する
ⓧ 過度に発音を省略する(特に語尾の子音を全く発音しないなど)
ⓧ four-letter word を使用する(話になりません。絶対ダメです)

これらのチェック項目は一部に過ぎませんが、ポイントは、私たちは、悪い癖を付けないようにするために、自己防衛する必要がある、と言うことです。
全てのネイティブスピーカーが 「教える」 事に長けているわけではないのです。
また、初めから一人のネイティブ講師に決めるのではなく、複数のネイティブ講師の英語に触れるのも良案だと思います。
私のレッスンでは、ネイティブ講師の発音や内容を吟味して、学習者に最適か否かを判断するサービスも行っています。

3. トム・ホーバスHCの日本語学習方法

20代から日本でプレーしていたので、長い年月を日本で過ごされています。
こういうと、「じゃぁ、私もアメリカに移住しよう。そうすればペラペラになれるだろう」 という人が、10人中4人はいます。

彼は日本でプレーする必要性に迫られて、日本語の習得に多くの時間を費やしています。
特に、日々の生活で日本語を〘使用する〙ことを重要視しており、様々な方法で毎日、休むことなく続けているそうです。
ここで特筆すべきは〘使用する〙という事です。文字を見たり、フレーズやセンテンスを頭の中で理解するのみならず、実際に声に出してコミュニケーションをとる事を指していることです。つまり、アウトプットの実践が重要であることが分かります。

具体的に見ていきましょう。以下は、トム・ホーバスHCが実践した、実践している具体的な学習・訓練法をまとめたものです。(参照元サイトの資料を一部加工。便宜上、連番を付けた)

非常に多岐にわたる努力をされていることが伺えます。

さて、これらの項目を見渡すと、以下の事に気が付きます。

  • 大別すると【実践的な訓練】と〔準備・下地強化〕できます。
  • 6項目中、4項目が【実践的な訓練】です。
  • アウトプット(話す)ことに多くの時間と労力を費やしていることに注目してください。

後半では、これらの項目を私たちの英語習得に置き換えて、そこから得られる詳細な点について述べたいと思います。

後編リンク

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

References

The International Olympic Committee (IOC)
https://olympics.com/ja/olympic-games/paris-2024
(2023-09-06)

Fédération Internationale de Basketball (FIBA) FIBA. basketball
https://www.fiba.basketball/
(2023/09/02)

Anthology
https://anthology.blog/entertainment/sports/tom-horvath-japanese/,
2023/08/29 – 2023/09/02
(2023/09/03)

Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/トム・ホーバス
(2023/09/06)

令和を生き抜くビタミンblog
https://elegant-mimoza.com/archives/8061#toc2
(2023/09/05)

Marton. (大喜利mosh-beat!)
https://marmarton.com/archives/5638, 2021/09/26
(2023/09/02)

みらいふ
https://mira0502.com/entry/thomaswaynehovasse, 2021/09/25
(2023/09/03)

NHK (Japan Broadcasting Corporation)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230902/k10014182271000.html

\英語学習を始めたいと感じた方へ/

サービス紹介

ABOUT ME
Hiro
外資100%出資の日本支社の 元 "代表取締役社長" がお教えするビジネス英語です。 ▶︎ 英語による実務経験30年 ▶︎ 米国在の国際本部での【海外勤務歴】4年半 ▶︎ 英語による豊富な実務経験 ▶︎ 実務で頻繁に使われている独特な単語とフレーズのご紹介 入社時の英語力は、ほぼ無し。 転職を後悔した日々を経て、国際本部へ転属。 様々な状況下での英語をご指導します。

感想を送ってみませんか?

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です