すきま英語

文学&映画紹介 : Howards End

英文学を通して、英語そのものと英国文化を理解する、それは私のお薦めの学習方法の一つです。

英文学には類まれな美しさのイギリスの田園風景がよく描写されています。
その美しい風景の中に佇むお屋敷や邸宅、カントリ-・ハウス、どんな家だろうと想像するとワクワクします。

イギリス時代、ホストマザ-がご自分の妹さんの別宅での週末に私を連れて行ってくれたことがありました。
広々としたよく手入れされた芝のお庭に、優雅に佇む白い邸宅。その家を見た瞬間、ある小説が私の脳裏に浮かびました。

E.M. Foster の小説、«ハワ-ズ・エンド  Howards End »。1910年、出版。「眺めのいい部屋」の著者の作品。

ジェ-ムズ・アイボリ-監督やBBCミニシリ-ズで映像化されていて、どちらの作品もイギリスの美しい田園風景が楽しめます。アイボリ-版では名優アンソニ-・ホプキンスさん他、豪華キャストが出演です。

芸術を愛する知的で、自由な雰囲気の中産階級家庭と、芸術などにはあまり興味のない、功利的な資産家中産階級家庭。ふとしたことをきっかけにこの二つの家庭が交流を始め、そこから予期せぬ衝突が巻き起こります。
その一つが、田舎のカントリ-・ハウスが家族ではなく、その家の価値を理解した家族以外の人物の手に渡ることを巡っての葛藤です。

この遺産であるカントリ-・ハウスはちょっと古くて、不便な所にあるけれども、ある人にとっては大事な建物、自然に囲まれた美しい、居心地のいい、なんとも暖かみのある家。
ホストマザ-が連れて行ってくれた家は、建築様式や風貌自体はまったく似ていないものの、私はこの家に、小説に描写されているカントリ-・ハウスの価値観を感じました。

この小説のテ-マは価値観の違う者同士の接触によっておこる人間模様、衝突と深いものなのですが、そんな難しいことではなく、私の心にはこの小説に描かれた、田舎のカントリ-・ハウスが心に残っていて、この風景と結びついたのでした。

« Howards End »、ぜひ原書で、映画で、テレビドラマでお楽しみください。
そして、英国を訪れる機会があったら自分のイメ-ジするカントリ-・ハウスを探してみてください。

\英語学習を始めたいと感じた方へ/

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Masami
英語磨きのヒントや、おすすめ教材&学習法を英語大好き人間の皆さんにお届けしていこうと思います。 また、現在住んでいるフランスを中心に、海外生活、海外風景、海外食文化も発信していくつもりです。 長い海外生活で感じたり、見たりした ”お国が変われば、人間気質も、美意識も、食文化も違う” 、そんな文化比較論みたいなことにも触れてみたいと思います。

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