すきま英語

第6回 長めの英文を読み解く「段落読解法」

はじめに

前回は、英検3級の会話文を読むコツを学びました。今回は、物語文や説明文など、少し長めの英文を読む方法を紹介します。

長い英文を見ると、「全部を日本語に訳さなければ」と思うかもしれません。しかし、すべての文を完璧に訳す必要はありません。

大切なのは、段落ごとの役割と全体の流れをつかむことです。

長文は「段落ごと」に読む

英文が長くても、いくつかの段落に分かれています。まず、段落ごとに大まかな内容を整理しましょう。

物語文なら、次のような流れになることが多いです。

  1. 登場人物や場面の紹介
  2. 問題や出来事の発生
  3. 登場人物の行動
  4. 結果や気持ちの変化

説明文なら、次の流れがよく見られます。

  1. 話題の紹介
  2. 具体例や理由
  3. 詳しい説明
  4. まとめ

一文ずつ訳すのではなく、「この段落は何を説明しているのか」を考えながら読みます。

各段落を一言でまとめる

長文を読んだら、段落ごとに短いメモを作りましょう。

例えば、次のような英文があったとします。

Tom wanted to buy a new bicycle. However, he did not have enough money.

この段落のメモは、

Tomは自転車が欲しいが、お金が足りない

で十分です。

英語でメモをしても、日本語でメモをしても構いません。重要なのは、細かい訳ではなく、内容を短くまとめることです。

最初の段落で登場人物と場面を確認する

物語文の最初の段落には、次の情報がよく出てきます。

  • 誰の話か
  • いつの出来事か
  • どこが舞台か
  • 主人公は何をしたいのか

例:

Last Sunday, Mike went to a small town with his family. He wanted to visit an old museum there.

この文から、次のことが分かります。

  • いつ:Last Sunday
  • 誰が:Mikeと家族
  • どこへ:small town
  • 目的:old museumを訪れる

最初の段落を丁寧に読むと、その後の話が理解しやすくなります。

逆接や順序を表す語に注目する

長文では、文と文の関係を示す語が重要です。特に、話の流れが変わるサインを見落とさないようにしましょう。

逆の内容を示す語

  • but:しかし
  • however:しかしながら
  • although:〜だけれども

It was raining. However, Ken went outside.

雨が降っていました。しかし、Kenは外へ出ました。

理由や結果を示す語

  • because:なぜなら
  • so:だから
  • therefore:それゆえに

Lisa was tired, so she went home early.

Lisaは疲れていたので、早く帰宅しました。

順序を示す語

  • first:最初に
  • next:次に
  • then:それから
  • finally:最後に

First, we cleaned the room. Then, we made lunch.

最初に部屋を掃除し、それから昼食を作りました。

これらの語に印をつけると、文章の流れが見えやすくなります。

代名詞が何を指すか確認する

長文では、同じ名詞を繰り返さず、代名詞を使うことがあります。

  • he:彼
  • she:彼女
  • it:それ
  • they:彼ら、それら
  • this:これ、このこと
  • that:それ、そのこと

例えば、

Mary found a wallet. She took it to the police station.

この文では、

  • She = Mary
  • it = a wallet

を表しています。

代名詞が何を指しているか分からないと、文章の内容を取り違えてしまいます。代名詞を見たら、直前の文に出てきた人物や物を確認しましょう。

ただし、必ず直前の名詞を指すとは限りません。意味が自然につながるかも確認してください。

同じ人物や物は表現が変わる

長文では、一人の人物がさまざまな表現で説明されることがあります。

Mr. Brown went to the store. The man bought some bread. He returned home at noon.

ここでは、

  • Mr. Brown
  • The man
  • He

がすべて同じ人物を指しています。

また、同じ物についても言い換えが使われます。

  • a bicycle → the bike
  • a dog → the animal
  • a present → the gift

同じ単語が出てこなくても、内容がつながっているか考えましょう。

問題文を先に読む

長文問題では、本文を読む前に設問を確認する方法も有効です。

設問から、次のような情報を探します。

  • 登場人物の名前
  • 時間や場所
  • 行動
  • 理由
  • 気持ち
  • 結果

例えば、設問が次のようなものだったとします。

Why did Ken go to the library?

この場合、本文を読むときには、Kenが図書館へ行った理由を探します。

設問を先に読むと、本文のすべてを同じ強さで読む必要がなくなります。

ただし、選択肢を決めつけない

選択肢を先に読むことは役立ちますが、最初から答えを決めつけてはいけません。

本文には、選択肢と似た情報が書かれていても、条件が異なる場合があります。

例えば、

  • SaturdayではなくSunday
  • TomではなくMike
  • went to the parkではなくcame from the park
  • because he was sickではなくbecause his brother was sick

というように、一部だけが違う選択肢が出ることがあります。

人・場所・時間・理由・行動を本文と照らし合わせて確認しましょう。

分からない単語があっても止まらない

長文を読んでいると、知らない単語が出てくることがあります。

すべての単語を調べようとして読むのを止めると、時間が足りなくなることがあります。まずは、次の方法で意味を推測しましょう。

前後の文から推測する

Tom was very hungry. He quickly ate the sandwich.

hungryの意味が分からなくても、sandwichを急いで食べたことから、「お腹が空いていた」と推測できます。

反対語や説明を探す

The room was not dark. It was bright and comfortable.

darkの意味が分からなくても、brightと反対の意味だと推測できます。

その単語を飛ばして読む

知らない単語が一つあるだけで、文章全体の意味が分からなくなるとは限りません。まず主語と動詞、知っている単語を使って大意をつかみましょう。

物語文では「気持ちの変化」を追う

物語文の問題では、登場人物の気持ちを問われることがあります。

気持ちを表す語の例:

  • happy:うれしい
  • sad:悲しい
  • surprised:驚いた
  • worried:心配した
  • excited:わくわくした
  • tired:疲れた
  • angry:怒った
  • disappointed:がっかりした
  • relieved:安心した

気持ちは、出来事の前後で変化することがあります。

Emma lost her bag, so she was worried. Later, a teacher found it for her. Emma was relieved.

この場合、Emmaの気持ちは、

  1. バッグをなくして心配した
  2. バッグが見つかって安心した

と変化しています。

「最初から最後まで同じ気持ち」とは限らないので、出来事と気持ちを結びつけて読みましょう。

説明文では「話題・理由・具体例」を整理する

説明文では、次の3点に注目します。

  • 何について説明しているか
  • どのような理由があるか
  • どんな具体例が出ているか

例えば、テーマが「学校で花を育てること」なら、

  • 話題:学校で花を育てる活動
  • 理由:自然について学べる
  • 具体例:生徒が毎朝水をあげる

というように整理します。

具体例だけを覚えるのではなく、それが何を説明するための例なのかを確認しましょう。

長文を読む手順

実際の問題では、次の手順で読みます。

1. タイトルや最初の文を見る

何についての文章か予測します。

2. 設問を確認する

何を探しながら読めばよいか把握します。

3. 本文を段落ごとに読む

各段落の内容を短くまとめます。

4. 重要語に注目する

人名、場所、時間、数字、否定語、接続語を確認します。

5. 答えの根拠を本文で確認する

記憶だけで選ばず、本文のどこに根拠があるか探します。

6. 選択肢を比較する

本文と一致しているか、人・時間・場所・理由などを確認します。

今日からできる15分練習

1〜2分:タイトルと設問を読む

本文のテーマと、探す情報を確認します。

3〜8分:本文を段落ごとに読む

各段落を一言でまとめます。

9〜12分:答えの根拠を探す

設問ごとに、本文中の該当箇所を確認します。

13〜15分:音読する

意味を意識しながら、英文を2〜3回音読します。

ミニ確認問題

次の英文を読みましょう。

Last Saturday, Anna went to the library after lunch. She wanted to find a book about animals. At first, she could not find the book, so she asked a librarian for help. The librarian showed her a book about dolphins. Anna was happy and borrowed it.

問題1:Why did Anna go to the library?

答え:

She wanted to find a book about animals.

問題2:How did Anna feel at the end?

答え:

She was happy.

この文章では、次のように整理できます。

  • 最初:Annaが図書館へ行った
  • 目的:動物の本を探した
  • 問題:本を見つけられなかった
  • 解決:司書に助けてもらった
  • 結果:本を借りることができ、うれしかった

今回のまとめ

長めの英文を読むときは、すべてを完璧に訳す必要はありません。

  • 段落ごとの内容を整理する
  • 登場人物、場所、時間、行動を確認する
  • 逆接・理由・結果・順序を示す語に注目する
  • 代名詞が何を指すか確認する
  • 物語文では気持ちの変化を追う
  • 説明文では話題・理由・具体例を整理する
  • 分からない単語があっても、まず読み進める
  • 答えは本文の根拠を確認してから選ぶ

長文読解は、慣れるまで時間がかかるかもしれません。しかし、毎日少しずつ段落ごとに要点をまとめる練習をすれば、確実に読みやすくなります。

次回は、英検3級のリーディングで得点を伸ばすための設問別の解き方と時間配分を解説します。

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ABOUT ME
マリリン
オーストラリアのメルボルン在住25年の英語講師、マリリンです。イギリスのロンドン、アメリカのロサンゼルスにも留学していました。英語学習、海外生活、異文化、いろんな情報を皆さんとシェアしていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします!