こちらは、オランダの小学校での一コマです。
数年前まで公立校教員として働いていた私の興味は、やはり『教育』。
各国で行われている具体的な工夫を知りたくて、オランダを訪れました。
見学した学校では、『異年齢が1つの教室で学ぶ』『時間割は子供たちが自分で作る』という、かなり大胆な方法をとっておりました。
異年齢の子どもたちが1つの教室で学ぶことにより、教えたり、教えられたりが自然と出来るようになることを理想としていました。
”先生”はあくまでもアドバイザーです。
時間割を自分で作る、というのは、自分の得意な分野に特化して能力を伸ばしていこう、とする試みです。
ただ、これらはある段階の年齢になってから出来ることであって、小学校1,2年生の子どもたちには難しいわけです。
そこで、やはり日本と同じように一斉授業なるものがされるのですが、この写真の女性教師の進め方が本当に素晴らしいものでした。
中央の机には、様々な音の出るものが置かれています。鈴やベル、木琴など楽器が多くあります。
「目を閉じて。」
ワラワラとそこらでじゃれ合っていた子供たちが椅子に座り、写真のように絶対に見ないように目を手で覆います。
♪♬♬♪~
「さて何の音でしょう」
注意深く目を閉じ、耳を澄ませる子供たち。
目を開け、その女性教師に促された一人が、テーブルに近寄り音の元を探していきます…。
その緊迫感。
♪~
教室中に響く可愛らしい拍手の音。
「静かに!」
これを年にどれだけ言ってるか分からない自分の授業を深く反省しました。
カリキュラムに問題があるのではないか…。
ともすると、批判がましく思っていた「教育カリキュラム」ですが、いやいやどうして、学ぶ根本は、やはり教師本人の技術にかかっているのではなかろうか。
今でも、私の中にある「学びを導く人」の理想像は、この女性です。

