はじめに
第2回では、英検3級対策として、単語帳を一冊に絞り、英単語を例文や音声と一緒に覚える方法を紹介しました。
しかし、英単語は一度覚えただけでは、時間がたつと忘れてしまいます。これは記憶力が悪いからではありません。人は、使わない情報を自然に忘れるようにできているからです。
大切なのは、「忘れないこと」ではなく、忘れかけたタイミングで復習することです。今回は、英単語を長期記憶に定着させるための復習法を解説します。
覚えた単語を忘れるのは普通
新しく覚えた単語は、次のような流れで忘れていきます。
- 覚えた直後:かなり覚えている
- 数時間後:少しあやふやになる
- 翌日:思い出せない単語が増える
- 数日後:ほとんど忘れている単語もある
せっかく覚えた単語を忘れると、「自分は英語が苦手だ」と感じるかもしれません。しかし、忘れること自体は問題ではありません。
一度忘れた単語をもう一度思い出すと、記憶は前より強くなります。復習とは、忘れたことを確認する作業ではなく、記憶を強くするトレーニングなのです。
重要なのは「思い出す」こと
単語帳を何度も眺めるだけでは、なかなか記憶に定着しません。単語を見て「知っている」と感じることと、何も見ずに意味を思い出せることは別だからです。
復習では、次のようなテストを行いましょう。
- 英単語を見て、日本語の意味を言う
- 日本語を見て、英単語を言う
- 例文の空所に単語を入れる
- 音声を聞いて、単語の意味を答える
- 単語を使って短い英文を作る
たとえば、borrowを復習する場合は、単に「borrow=借りる」と確認するだけではなく、次のように考えます。
Can I borrow your pen?
「あなたのペンを借りてもいいですか」という文を思い出せれば、単語の意味だけでなく、使い方も身につきます。
おすすめの復習スケジュール
新しく覚えた単語は、次のタイミングで復習すると効果的です。
- 覚えた直後
- その日の夜
- 翌日
- 3日後
- 1週間後
- 2週間後
- 1か月後
毎回、長時間勉強する必要はありません。数分間の確認でも十分です。
たとえば、月曜日に10個の単語を覚えた場合は、次のように復習します。
| 日 | 学習内容 |
|---|---|
| 月曜日 | 新しい10語を覚える |
| 月曜日の夜 | 10語をテストする |
| 火曜日 | 前日の10語を復習する |
| 木曜日 | もう一度テストする |
| 翌週月曜日 | 1週間後の確認をする |
| その2週間後 | 仕上げの確認をする |
このように、間隔を少しずつ広げながら復習する方法を「間隔反復」といいます。
復習する単語を3つに分ける
すべての単語を同じ回数復習する必要はありません。覚えやすさに応じて、次の3グループに分けると効率的です。
すぐに答えられる単語
英単語を見た瞬間に意味が分かる単語です。復習の回数を減らしてもよいでしょう。
少し考えれば分かる単語
意味は分かるものの、思い出すまでに時間がかかる単語です。忘れやすい可能性があるため、数日後にもう一度確認します。
何度も間違える単語
何回見ても意味が分からない単語です。特に重点的に復習しましょう。
間違えた単語には、単語帳に印をつけたり、付箋を貼ったりします。ただし、印をつけすぎると重要な単語が分からなくなるため、苦手な単語だけに絞ることが大切です。
「忘却ボックス」を作る
単語カードを使っている場合は、カードをいくつかのグループに分ける方法もおすすめです。
- 今日覚える単語
- 明日復習する単語
- 3日後に復習する単語
- 1週間後に復習する単語
- しばらく復習しなくてよい単語
正解できたカードは次のグループへ移動します。間違えたカードは、最初のグループに戻します。
この方法なら、何度も間違える単語を重点的に復習できます。単語カードを使わない場合でも、ノートやスマートフォンのメモで同じような仕組みを作ることができます。
書いて覚えるときの注意点
英単語を何度も書いて覚える方法もあります。ただし、意味を考えずに書き写すだけでは、効果が小さくなります。
たとえば、importantを10回書くときは、次のように練習しましょう。
- importantの意味を言う
- 発音する
- 例文を読む
This is an important question.
- 例文を見ないで一度書く
- 間違いを確認する
ただ文字を書き続けるのではなく、意味・音・使い方を意識することがポイントです。
声に出して復習する
英検3級では、リーディングだけでなく、リスニングや面接もあります。そのため、復習でも声に出す習慣をつけましょう。
単語を見たら、次の順番で練習します。
- 英単語を発音する
- 日本語の意味を言う
- 例文を音読する
- 例文の一部を変えて言う
たとえば、次の文を練習します。
I enjoyed the party.
その後、主語や時を変えてみましょう。
She enjoyed the movie.
We enjoyed the game.
このような練習をすると、単語を実際に使う力が身につきます。面接や英作文にも役立つ方法です。
過去問の中で復習する
単語帳で覚えた単語が、実際の問題で使われるとは限りません。単語学習と並行して、過去問や問題集の英文も活用しましょう。
問題を解いた後は、次の単語を確認します。
- 意味が分からなかった単語
- 意味は知っていたが、文の中で理解できなかった単語
- 何度も登場する重要な単語
- 選択肢に出てきた知らない単語
単語帳に載っていない単語をすべて覚える必要はありません。何度も出てくる単語や、問題を解くうえで重要な単語を優先しましょう。
1日15分の復習メニュー
忙しい日でも続けやすい、15分の復習メニューを紹介します。
1〜5分:前日の単語をテストする
英語を見て意味を答えます。できれば、日本語から英語を答える練習も行います。
6〜10分:3日前の単語を復習する
忘れている単語に印をつけ、例文と一緒に確認します。
11〜15分:1週間前の単語を確認する
単語を見ずに意味を思い出し、最後に答え合わせをします。
毎日新しい単語を追加する場合でも、必ず過去の単語を復習する時間を作りましょう。
復習を続けるための工夫
復習は大切ですが、毎日完璧にできるとは限りません。続けるためには、学習の負担を小さくすることが重要です。
- 机に単語帳を置いておく
- 通学中や休憩中に復習する
- 1回の復習を5分から始める
- できた単語にチェックをつける
- 週末にまとめて確認する
- 家族に問題を出してもらう
「今日は疲れたから何もしない」と完全に休むよりも、1分だけでも単語を確認する方が習慣を保ちやすくなります。
今回のまとめ
英単語を長期記憶に定着させるには、覚えた直後だけでなく、時間を空けて何度も復習することが重要です。
今回のポイントを確認しましょう。
- 忘れるのは自然なことである
- 復習では、単語を見て思い出す練習をする
- 翌日、3日後、1週間後など、間隔を空けて復習する
- 苦手な単語を重点的に確認する
- 単語だけでなく、例文や音声も使う
- 毎日短時間でも復習を続ける
英単語は、覚えた量よりも、思い出せる単語の数が大切です。焦らず、忘れては復習するサイクルを繰り返しましょう。
次回は、英検3級のリーディング対策として、短い英文を正確に読むための基本練習を紹介します。
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