すきま英語

第10回 聞き取れない原因と音の変化

リスニングで「知っている単語なのに聞き取れない」と感じることがあります。その原因は、単語を知らないことだけではありません。英語では、実際の会話で音が弱くなったり、隣の音とつながったりするためです。

今回は、聞き取れない原因と、音を聞き取るための練習方法を学びます。

1. 聞き取れない主な原因

① 単語を知らない

当然ですが、意味を知らない単語は聞き取りにくくなります。

対策:
単語の意味だけでなく、発音・アクセント・例文も一緒に覚えましょう。

② 知っている単語の音を間違って覚えている

つづりから想像した発音と、実際の発音が異なることがあります。

  • vegetable:ベジタブル
  • comfortable:カンフタブル
  • interesting:イントレスティング

すべての音がはっきり発音されるとは限りません。

③ 音がつながっている

単語と単語が続くと、境目が分かりにくくなります。

pick it up

それぞれの単語を区切って読むより、続けて読むと一まとまりに聞こえます。

④ 弱く発音される語がある

会話では、重要な単語が強く、文法上の短い語が弱く発音される傾向があります。

  • a
  • an
  • the
  • to
  • for
  • of
  • can
  • and

これらは、強くはっきり発音されないことがあります。

⑤ 文の構造を理解できていない

単語をいくつか聞き取れても、文の関係が分からないと意味を取りにくくなります。

例えば、becauseが聞こえたら、その後ろは理由だと予測できます。単語だけでなく、文の流れも意識しましょう。

2. 音の連結

英語では、前の単語の最後の音と、次の単語の最初の音がつながることがあります。

例

  • pick it up
  • take it
  • an apple
  • turn off

発音練習では、単語を一つずつ区切らず、意味のまとまりごとに読みます。

I want to eat an apple.

「I / want / to / eat」と区切りすぎるのではなく、次のように読みます。

I want to eat / an apple.

3. 弱く発音される音

to、for、andなどは、文中で弱く発音されることがあります。

例

  • want to
  • going to
  • have to
  • bread and butter
  • a cup of tea

大切なのは、弱い音を一語ずつ完璧に聞くことではありません。文全体から意味を理解することです。

4. 音の脱落

会話では、一部の音が弱くなったり、ほとんど聞こえなくなったりすることがあります。

例えば、次の表現では、音がはっきり区切られないことがあります。

  • next day
  • first time
  • old friend
  • must be

このような表現は、何度も音声を聞き、まとまりとして覚えると効果的です。

5. 短縮形に慣れる

会話では、短縮形がよく使われます。

短縮形元の形
I’mI am
he’she is / he has
we’rewe are
don’tdo not
didn’tdid not
can’tcannot
won’twill not
I’llI will
they’vethey have

特に、notを含む短縮形は意味を反対にするため、注意が必要です。

  • can:できる
  • can’t:できない
  • will:~するだろう
  • won’t:~しないだろう

6. 強く発音される語に注目する

英文では、すべての語が同じ強さで発音されるわけではありません。

通常、次の語が強く発音されます。

  • 名詞
  • 一般動詞
  • 形容詞
  • 副詞
  • 否定語
  • 疑問詞

例

The boy bought a new bicycle yesterday.

特に重要なのは、次の語です。

  • boy
  • bought
  • new
  • bicycle
  • yesterday

一方、theやaは弱く発音されやすい語です。

7. 聞き取れない部分を推測する

一語聞き取れなくても、前後の内容から推測できます。

例

The train leaves at ___.

時刻を表す問題だと分かっていれば、空所には数字や時刻が入ると予測できます。

また、

She was absent because ___.

becauseの後ろには、休んだ理由が続くと分かります。

「聞こえなかったから終わり」ではなく、文の形と話の流れを利用しましょう。

8. スクリプトを使った学習手順

ステップ1:何も見ずに聞く

まずは全体の意味を考えます。聞き取れた単語をいくつかメモしましょう。

ステップ2:スクリプトを確認する

聞き取れなかった部分に線を引きます。

ステップ3:原因を分類する

聞き取れなかった理由を考えます。

  • 単語を知らなかった
  • 発音を知らなかった
  • 音がつながっていた
  • 弱く発音されていた
  • 文の構造が分からなかった

ステップ4:音声をまねする

スクリプトを見ながら、音声と同じリズムで読みます。

ステップ5:スクリプトを見ずに読む

音声を止めた状態で、内容を思い浮かべながら発音します。

ステップ6:もう一度聞く

最初より聞き取りやすくなったか確認します。

9. リピーティングとシャドーイング

リピーティング

音声を聞いた後、止めてから同じ英文を繰り返します。

効果:

  • 正しい発音を確認できる
  • 文のリズムが身につく
  • 短い英文の記憶力が鍛えられる

シャドーイング

音声を聞きながら、少し遅れて同じ英文を発音します。

最初から速い音声で行うのが難しい場合は、スクリプトを見ながら始めてもかまいません。

10. 練習例

次の英文を意味のまとまりで読みます。

I’m going to visit my grandmother this weekend.

区切り方の例:

I’m going to visit / my grandmother / this weekend.

次に、文の中で強く読む語を意識します。

going, visit, grandmother, weekend

弱くなりやすい語:

I’m, to, my, this

すべての語を同じ強さで読むのではなく、重要語を目立たせます。

11. 練習問題

次の英文を聞いたとします。

I wanted to go shopping, but I had to help my mother at home.

質問

Why didn’t the speaker go shopping?

  1. Because the store was closed.
  2. Because the speaker was sick.
  3. Because the speaker had to help their mother.
  4. Because the speaker had no money.

正解:3. Because the speaker had to help their mother.

butの後ろに、実際の理由が示されています。wanted to go shoppingは「買い物に行きたかった」という最初の希望であり、実際に行ったとは限りません。

12. 毎日できる10分練習

忙しい日でも、次の練習なら続けやすいでしょう。

  1. 1分:短い音声を聞く
  2. 2分:スクリプトで知らない語を確認する
  3. 3分:音声をまねして音読する
  4. 2分:リピーティングをする
  5. 2分:スクリプトを見ずにもう一度聞く

短時間でも、毎日続けることが重要です。

今回のまとめ

リスニングで聞き取れないときは、次の点を確認しましょう。

  • 単語の意味と発音を知っているか
  • 単語同士の音がつながっていないか
  • toやandなどが弱く発音されていないか
  • 短縮形や否定語を聞き落としていないか
  • 強く発音される重要語に注目しているか
  • 文の流れから意味を推測できるか
  • スクリプトを使って原因を確認したか
  • リピーティングやシャドーイングを行ったか

英語の音の変化に慣れると、知っている単語を実際の音声の中でも見つけやすくなります。

次回は、英検準2級ライティングの基本構成と、意見を論理的に書く方法について学びます。

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ABOUT ME
マリリン
オーストラリアのメルボルン在住25年の英語講師、マリリンです。イギリスのロンドン、アメリカのロサンゼルスにも留学していました。英語学習、海外生活、異文化、いろんな情報を皆さんとシェアしていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします!