リスニングで「知っている単語なのに聞き取れない」と感じることがあります。その原因は、単語を知らないことだけではありません。英語では、実際の会話で音が弱くなったり、隣の音とつながったりするためです。
今回は、聞き取れない原因と、音を聞き取るための練習方法を学びます。
1. 聞き取れない主な原因
① 単語を知らない
当然ですが、意味を知らない単語は聞き取りにくくなります。
対策:
単語の意味だけでなく、発音・アクセント・例文も一緒に覚えましょう。
② 知っている単語の音を間違って覚えている
つづりから想像した発音と、実際の発音が異なることがあります。
vegetable:ベジタブルcomfortable:カンフタブルinteresting:イントレスティング
すべての音がはっきり発音されるとは限りません。
③ 音がつながっている
単語と単語が続くと、境目が分かりにくくなります。
pick it up
それぞれの単語を区切って読むより、続けて読むと一まとまりに聞こえます。
④ 弱く発音される語がある
会話では、重要な単語が強く、文法上の短い語が弱く発音される傾向があります。
- a
- an
- the
- to
- for
- of
- can
- and
これらは、強くはっきり発音されないことがあります。
⑤ 文の構造を理解できていない
単語をいくつか聞き取れても、文の関係が分からないと意味を取りにくくなります。
例えば、becauseが聞こえたら、その後ろは理由だと予測できます。単語だけでなく、文の流れも意識しましょう。
2. 音の連結
英語では、前の単語の最後の音と、次の単語の最初の音がつながることがあります。
例
pick it uptake itan appleturn off
発音練習では、単語を一つずつ区切らず、意味のまとまりごとに読みます。
I want to eat an apple.
「I / want / to / eat」と区切りすぎるのではなく、次のように読みます。
I want to eat / an apple.
3. 弱く発音される音
to、for、andなどは、文中で弱く発音されることがあります。
例
- want to
- going to
- have to
- bread and butter
- a cup of tea
大切なのは、弱い音を一語ずつ完璧に聞くことではありません。文全体から意味を理解することです。
4. 音の脱落
会話では、一部の音が弱くなったり、ほとんど聞こえなくなったりすることがあります。
例えば、次の表現では、音がはっきり区切られないことがあります。
- next day
- first time
- old friend
- must be
このような表現は、何度も音声を聞き、まとまりとして覚えると効果的です。
5. 短縮形に慣れる
会話では、短縮形がよく使われます。
| 短縮形 | 元の形 |
|---|---|
| I’m | I am |
| he’s | he is / he has |
| we’re | we are |
| don’t | do not |
| didn’t | did not |
| can’t | cannot |
| won’t | will not |
| I’ll | I will |
| they’ve | they have |
特に、notを含む短縮形は意味を反対にするため、注意が必要です。
- can:できる
- can’t:できない
- will:~するだろう
- won’t:~しないだろう
6. 強く発音される語に注目する
英文では、すべての語が同じ強さで発音されるわけではありません。
通常、次の語が強く発音されます。
- 名詞
- 一般動詞
- 形容詞
- 副詞
- 否定語
- 疑問詞
例
The boy bought a new bicycle yesterday.
特に重要なのは、次の語です。
- boy
- bought
- new
- bicycle
- yesterday
一方、theやaは弱く発音されやすい語です。
7. 聞き取れない部分を推測する
一語聞き取れなくても、前後の内容から推測できます。
例
The train leaves at ___.
時刻を表す問題だと分かっていれば、空所には数字や時刻が入ると予測できます。
また、
She was absent because ___.
becauseの後ろには、休んだ理由が続くと分かります。
「聞こえなかったから終わり」ではなく、文の形と話の流れを利用しましょう。
8. スクリプトを使った学習手順
ステップ1:何も見ずに聞く
まずは全体の意味を考えます。聞き取れた単語をいくつかメモしましょう。
ステップ2:スクリプトを確認する
聞き取れなかった部分に線を引きます。
ステップ3:原因を分類する
聞き取れなかった理由を考えます。
- 単語を知らなかった
- 発音を知らなかった
- 音がつながっていた
- 弱く発音されていた
- 文の構造が分からなかった
ステップ4:音声をまねする
スクリプトを見ながら、音声と同じリズムで読みます。
ステップ5:スクリプトを見ずに読む
音声を止めた状態で、内容を思い浮かべながら発音します。
ステップ6:もう一度聞く
最初より聞き取りやすくなったか確認します。
9. リピーティングとシャドーイング
リピーティング
音声を聞いた後、止めてから同じ英文を繰り返します。
効果:
- 正しい発音を確認できる
- 文のリズムが身につく
- 短い英文の記憶力が鍛えられる
シャドーイング
音声を聞きながら、少し遅れて同じ英文を発音します。
最初から速い音声で行うのが難しい場合は、スクリプトを見ながら始めてもかまいません。
10. 練習例
次の英文を意味のまとまりで読みます。
I’m going to visit my grandmother this weekend.
区切り方の例:
I’m going to visit / my grandmother / this weekend.
次に、文の中で強く読む語を意識します。
going, visit, grandmother, weekend
弱くなりやすい語:
I’m, to, my, this
すべての語を同じ強さで読むのではなく、重要語を目立たせます。
11. 練習問題
次の英文を聞いたとします。
I wanted to go shopping, but I had to help my mother at home.
質問
Why didn’t the speaker go shopping?
- Because the store was closed.
- Because the speaker was sick.
- Because the speaker had to help their mother.
- Because the speaker had no money.
正解:3. Because the speaker had to help their mother.
butの後ろに、実際の理由が示されています。wanted to go shoppingは「買い物に行きたかった」という最初の希望であり、実際に行ったとは限りません。
12. 毎日できる10分練習
忙しい日でも、次の練習なら続けやすいでしょう。
- 1分:短い音声を聞く
- 2分:スクリプトで知らない語を確認する
- 3分:音声をまねして音読する
- 2分:リピーティングをする
- 2分:スクリプトを見ずにもう一度聞く
短時間でも、毎日続けることが重要です。
今回のまとめ
リスニングで聞き取れないときは、次の点を確認しましょう。
- 単語の意味と発音を知っているか
- 単語同士の音がつながっていないか
toやandなどが弱く発音されていないか- 短縮形や否定語を聞き落としていないか
- 強く発音される重要語に注目しているか
- 文の流れから意味を推測できるか
- スクリプトを使って原因を確認したか
- リピーティングやシャドーイングを行ったか
英語の音の変化に慣れると、知っている単語を実際の音声の中でも見つけやすくなります。
次回は、英検準2級ライティングの基本構成と、意見を論理的に書く方法について学びます。
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