すきま英語_YUKI.N 先生

「倒れる・倒す・こぼす」は英語で?

「倒れる・倒す・こぼす」は英語で?fall over, knock over, tip over, knock down, collapse, spill の違いと使い分け

日本語では「倒れる」「倒す」「こぼす」と表現する動作も、英語では状況や動作の原因によって異なる動詞を使います。

例えば、「グラスが倒れた」「グラスを倒した」「水がこぼれた」は、それぞれ英語でどのように表現するのでしょうか?

今回は、日常会話でよく使われる6つの表現を、例文とともに詳しく解説します。

① fall over:倒れる・転ぶ

fall over は、人や物がバランスを崩して倒れることを表します。

基本的には自動詞として使われ、誰かが倒すのではなく、主語自身が倒れる動作に焦点を当てます。

The chair fell over.
椅子が倒れた。

The child fell over while running.
その子どもは走っている途中で転んだ。

The bottle fell over when the table shook.
テーブルが揺れたとき、ボトルが倒れた。

【ポイント】

  • fall:落ちる、倒れる、転ぶ
  • fall down:下方向に倒れる、転ぶ
  • fall over:バランスを崩して倒れる

fall over は、立っている人や物が横方向などに倒れるイメージです。

② knock over:ぶつかって倒す

knock over は、人や物にぶつかったり、接触したりして何かを倒すことを表します。

日常会話では、うっかり物を倒してしまった場面でよく使われます。

I accidentally knocked over my glass.
うっかりグラスを倒してしまった。

The dog knocked over the chair.
犬が椅子を倒した。

Be careful not to knock over the vase.
花瓶を倒さないように気をつけて。

【ポイント】

knock over は、基本的に他動詞として使われます。

The glass fell over.
グラスが倒れた。

I knocked over the glass.
私はグラスを倒した。

この2文の違いは、倒れたという出来事を伝えているのか、誰かが倒したという動作を伝えているのかという点です。

また、knock over は分離可能な句動詞です。

I knocked over the glass.
I knocked the glass over.

どちらも正しい表現です。

ただし、目的語が代名詞の場合は、次の語順になります。

I knocked it over.(正しい)

I knocked over it.(誤り)

③ tip over:傾いて倒れる・傾けて倒す

tip over は、物が傾いて倒れる、または物を傾けて倒すことを表します。

fall over や knock over との大きな違いは、傾く動きに焦点があることです。

The glass tipped over.
グラスが傾いて倒れた。

The boat tipped over in the strong wind.
強風でボートがひっくり返った。

She accidentally tipped over the bucket.
彼女はうっかりバケツを倒した。

【ポイント】

tip over は自動詞と他動詞の両方で使えます。

The chair tipped over.
椅子が傾いて倒れた。

He tipped over the chair.
彼は椅子を傾けて倒した。

knock over は接触や衝撃によって倒す動作を表すことが多いのに対し、tip over は傾くことによって倒れる動作を強調します。

④ knock down:打撃や衝撃によって倒す

knock down は、強い衝撃や力によって人や物を倒すことを表します。

人を殴り倒す場合だけでなく、建物や壁などを取り壊す場合にも使われます。

The boxer knocked his opponent down.
そのボクサーは対戦相手を打ち倒した。

The strong wind knocked down several trees.
強風で何本もの木が倒れた。

They knocked down the old building.
彼らは古い建物を取り壊した。

【ポイント】

knock over と knock down は似ていますが、使われる場面に違いがあります。

knock overknock down
物をひっくり返す、倒す強い力で倒す、打ち倒す
グラス、椅子、花瓶など人、木、壁、建物など
転倒する動きに注目衝撃や倒れた結果に注目

ただし、両方が使える状況もあります。

The wind knocked over the fence.
風でフェンスが倒れた。

The wind knocked down the fence.
風でフェンスが倒された。

どちらも自然な英語です。

⑤ collapse:崩れ落ちる・倒れる

collapse は、建物や構造物が崩壊したり、人が体力の限界や体調不良などによって倒れたりする場合に使われます。

単なる転倒を表す fall over よりも、深刻な状況で使われることが多い動詞です。

The building collapsed during the earthquake.
地震で建物が崩壊した。

He collapsed from exhaustion.
彼は疲労で倒れた。

She suddenly collapsed at work.
彼女は職場で突然倒れた。

【ポイント】

fall over と collapse の違いを比較してみましょう。

He fell over while running.
彼は走っている途中で転んだ。

He collapsed while running.
彼は走っている途中で突然倒れた。

fall over は転倒という動作を表しますが、collapse は体調不良や極度の疲労などによって崩れ落ちるように倒れることを表します。

なお、collapse は必ずしも意識を失うことを意味しません。

意識を失うことを明確に伝えたい場合は、faint や pass out を使います。

She fainted because of the heat.
彼女は暑さで失神した。

⑥ spill:こぼれる・こぼす

spill は、水や飲み物などの液体、または容器に入っている物が外にこぼれることを表します。

「倒れる」を表す動詞ではありませんが、グラスやボトルが倒れたときによく使う表現です。

The water spilled onto the floor.
水が床にこぼれた。

I accidentally spilled my coffee.
うっかりコーヒーをこぼしてしまった。

She spilled some juice on her shirt.
彼女はシャツにジュースをこぼした。

The rice spilled out of the bag.
袋からお米がこぼれた。

【ポイント】

spill は、自動詞と他動詞の両方で使えます。

The water spilled.
水がこぼれた。

I spilled the water.
私は水をこぼした。

また、spill の過去形・過去分詞は次の2種類があります。

原形過去形過去分詞
spillspilledspilled
spillspiltspilt

アメリカ英語では spilled が一般的です。

⑦ fall over・knock over・tip over・spill の比較

グラスと水を例にすると、それぞれの違いが分かりやすくなります。

The glass fell over.
グラスが倒れた。

→ グラスが倒れたという出来事に注目。

I knocked over the glass.
私はグラスを倒した。

→ 私がグラスに接触するなどして倒したことに注目。

The glass tipped over.
グラスが傾いて倒れた。

→ グラスが傾いて倒れる動きに注目。

The water spilled.
水がこぼれた。

→ グラスではなく、中の水がこぼれたことに注目。

これらを組み合わせると、次のような自然な英文になります。

I accidentally knocked over my glass, and water spilled all over the table.

うっかりグラスを倒して、テーブル中に水がこぼれてしまった。

⑧ 6つの表現のまとめ

英語表現基本的な意味自動詞・他動詞
fall over倒れる、転ぶ自動詞
knock overぶつかって倒す他動詞
tip over傾いて倒れる、傾けて倒す両方
knock down衝撃で倒す、打ち倒す他動詞
collapse崩壊する、崩れ落ちる主に自動詞
spillこぼれる、こぼす両方

英語では、日本語の「倒れる」「倒す」という言葉をそのまま一つの動詞に置き換えるのではなく、どのように倒れたのか、何が原因で倒れたのか、何が起こったのかを意識することが大切です。

特に日常生活では、fall over、knock over、tip over、spill の4つを使う機会が多くあります。

それぞれの動作をイメージしながら、例文と一緒に覚えていきましょう。

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ABOUT ME
YUKI.N
豪在住18年+、英会話講師、英語学習法コーチとして14年+(うちワールドトーク12年)活動しています!独自の経験を基に作り上げた学習法メソッドをベースにした英語学習法コーチングをご提供。ご自分のレベル目的にあった学習法を学び、ご自宅での学習を効率化し、レッスンと自宅での学習の両方で英語上達を目指しましょう!得意分野:文法、発音、日常会話、英語学習法指導 生徒さんお一人、お一人に寄り添った指導を心がけています。